SCOのふしぎ(その4) どうして決まった服装ではないのか

2015年05月12日 22:40

このオーケストラの本番用に決まった衣装というものはない。

服装は自由。ただし、『見苦しくないこと』と言っている。

このオーケストラの母体となった玉野ジュニアオーケストラと玉野室内楽研究会のどちらも大人に対しては決まった服装というものがなかった。ただし、玉野ジュニアオーケストラに出演する中高校生は制服のこと、という決まりがあった。

SCOが発足したときは、この規定にならって、中高校生は制服、その他は自由とした。しかし、中高校生数が減少したことなどもあり、3年後には結局全員服装は自由ということにした。

『自由だが見苦しくない事』というのは考えてみれば難しい。見苦しくない基準は各自が社会通念から割り出す必要があるからである。しか し、私はメンバーの社会人としての常識を信じているので、このことについて特に注意をしたりしたことはない。たとえ私の思っている基準から外れていても、 本人が誠心誠意考えて着てきた服なら、文句を言うすじあいはない。

服装が自由なので特に白黒の服をあつらえなくても良いから、経済的負担は少ないと思っていたが、そうでもないようである。演奏会が近づ くと、「次の演奏会は何を着るの?」という会話が飛び交い、わざわざこのために服を買う人もいるようだ。もちろん、そうするのは女性だけである(と思う)。そういう人は白黒に決めてみたところで、「ピエールカルダンの白黒」なんてものを着て来そうであり、結局経済的負担は同じことになるのかもしれな い。

ちなみに指揮者の私はというと黒い礼服を着る。これには理由があって、色彩のある服を着て指揮をすると視覚的に指揮者がうるさく見える。指揮者というのはどうしても注目される上、演奏者の前でちょろちょろ動き回るので、せめて服装は地味にする必要がある。

もうひとつの理由として、指揮棒が白いので、これがよく見えるように黒い服を着る。私なりにそのように気を使っているのである。